食事補助の税優遇、40年ぶり見直しへ!物価高時代の家計を助けるか
なぜ今、「食事補助」の税制が見直されるのか?
長引く物価高が家計を圧迫する中、従業員の実質的な手取りを増やすための新たな方法として、企業からの食事補助への税優遇が注目されています。現在、社員食堂や食事券など、企業が提供する食事補助には、非課税となる限度額が「月額3,500円」と定められていますが、この金額は1984年以来、40年以上据え置かれたままです。当時はこの金額でも十分な補助となりましたが、現在の物価水準では、その効果は限定的と言わざるを得ません。
こうした状況を踏まえ、経済産業省や経済団体に加え、外食企業などで構成される「食事補助上限枠緩和を促進する会」が、非課税限度額を月額6,000円以上へと引き上げるよう政府に要望しています。政府も経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」にこの見直しを明記しており、年末の税制改正論議で具体的な方向性が議論される見通しです。
出典:時事通信
食事補助の税優遇の仕組みとメリット
現行の制度では、従業員が支払う食事代の半額以上を負担し、かつ企業からの補助額が月額3,500円以下であれば、その補助額は従業員の給与所得として課税されません。このルールは、所得税や住民税の負担を軽減し、従業員の手取りを実質的に増やす効果があります。
例えば、食事代が1食500円の場合、従業員が250円を負担すれば、残りの250円を企業が補助し、これが非課税となります。もしこの補助額が月3,500円の上限を超えると、超えた分は給与として課税対象になってしまいます。この制度の拡大は、従業員の日々の食費負担を直接的に軽減するだけでなく、企業側にも大きなメリットをもたらします。福利厚生の充実として、特に若手や家族を持つ従業員にとって魅力的な制度となり、採用活動におけるアピールポイントや、既存社員の定着率向上につながることが期待されています。