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参政党が宮城県知事選で独自候補断念:和田政宗氏との政策覚書が示す戦略

参政党は19日、宮城県知事選(10月9日告示、同26日投開票)を巡り、独自候補の擁立を見送る方針を発表した。代わりに無所属で立候補する自民党前参院議員の和田政宗氏に対し、県の水道事業の「民営化見直し」などを盛り込んだ政策覚書を締結した。和田氏に対し、党として推薦はしないという。参政党は6選を目指す村井嘉浩知事の県政を疑問視し、県連副会長のローレンス綾子氏の立候補を検討していた。和田氏に対してはローレンス氏と仙台市内での討論会や、神谷宗幣代表とのユーチューブ番組での共演など議論を重ねてきた。

政策覚書の要点は
①無所属での立候補
②水道の民営化見直し・再公営化の推進
③移民推進政策への反対
④土葬の不許可方針
⑤大規模メガソーラー・風力発電計画の抑制・停止。
締結に至った理由については「県政の刷新と政策転換の実現可能性を高める観点から」としている。宮城県政を巡っては、上下水道の管理運営権の一部を外資系企業も含まれる国内10社が出資する法人に売却したことから、神谷氏が「水道事業を外資に売った」と主張し、村井氏も「県民に誤解を与える」などと反論していた。村井氏が県内で検討し、今月18日に撤回を表明した土葬墓地の整備に対しても参政党は批判し、県知事選への関与を表明していた。
出典:https://www.sankei.com/article/20250919-VFNSBDCDEFGUXOIWEUQ66Q2EA4/

政策連携の背景:なぜ独自候補を見送ったのか

当初、参政党は現職の村井知事の県政運営を厳しく批判し、独自候補としてローレンス綾子氏の擁立を検討していました。しかし、最終的にこの方針を見送り、和田氏との政策連携という道を選びました。これは、参政党の支持層と和田氏の支持層が分散し、結果として村井知事の票が相対的に優位となり、再選を許してしまうという最悪のシナリオを回避するための戦略的判断だったと考えられます。政党として、候補者を立てないという決断は、政策実現を最優先する姿勢の表れであり、非常に評価できる点です。

政党の「推薦」と「政策連携」の違いが示す戦略性

参政党が今回「推薦」ではなく「政策覚書」という形を選んだのは、非常に巧妙な戦略です。推薦は、候補者を全面的に支持し、責任を持つことを意味します。しかし、政策覚書は、特定の政策分野で協力するにとどまり、候補者個人を全面的に支持するわけではありません。これにより、参政党は和田氏の当選に貢献しつつも、将来的に彼が約束を反故にした場合に、厳しい批判を行う余地を残しました。村井知事のこれまでの「手のひら返し」を何度も見てきた宮城県民にとって、この懐疑的な姿勢は共感を呼ぶでしょう。

村井が再選したら…宮城県民の真価が問われる

今回の政策覚書は、村井県政の刷新を強く望む人々の受け皿となり、和田氏への票を集中させる効果が期待されます。しかし、それでも村井氏が再選した場合、それは宮城県民が現状維持を望んでいるか、あるいは重要な争点を理解していないことを示唆します。水道、移民、再エネといった、私たちの生活に直結する政策が争点となっているにもかかわらず、村井氏が6選を果たせば、私たちは今後も彼の手腕に委ねるしかありません。今回の選挙は、宮城県民が未来をどう選択するのか、その真価が問われる重要な選挙となります。

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