偽装結婚で在留資格取得か スリランカ国籍の男ら逮捕
在留資格を得るために日本人女性と偽装結婚していたとしてスリランカ国籍の男ら3人が逮捕されました。 逮捕されたのは、スリランカ国籍で君津市の自称・会社員のヘラス・パシラナゲ・サンドュン・マダハラ・ジャヤシッサ容疑者(29)、富津市の自称・アルバイトの石井信弘容疑者(59)、袖ケ浦市の自称・会社員の吉本由貴容疑者(58)の3人です。 ヘラス・パシラナゲ容疑者らは、おととし6月、「日本人の配偶者等」の在留資格を得るため君津市の51歳の女性との嘘の婚姻届けを君津市役所に提出し戸籍に嘘の情報を記録させた疑いがもたれています。 結婚相手となった女性もきょう(19日)書類送検されました。警察によりますとヘラス・パシラナゲ容疑者は、2022年に日本の芸術などを研究する文化活動で1年間の在留資格で来日。 石井容疑者がヘラス・パシラナゲ容疑者から偽装結婚の話を持ち掛けられ犯行を主導していたとみられ吉本容疑者が婚姻届けなどの書類を作成したということです。 取り調べに対しヘラス・パシラナゲ容疑者は「結婚した理由は日本で働けるビザを得るためです」と容疑を認め、石井容疑者は「結婚が嘘かどうかはわかりません」と容疑を否認しています。 石井容疑者らはヘラス・パシラナゲ容疑者から報酬を得ていたとみられ、警察は事件の詳しいいきさつを調べています。
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/93966acf9ea9bdcaa60cdcc2c7a527988f6c7ee3
「日本で働きたい」偽装結婚に手を染める背景
今回逮捕されたスリランカ国籍の男は、もともと文化活動の在留資格で日本に滞在していました。この資格は就労が認められていないため、日本で働き続けるためには、就労可能なビザに切り替える必要がありました。しかし、ビザの要件は厳しく、合法的な手続きでは希望が叶わないと判断したのでしょう。
こうした状況は、この男だけの問題ではありません。出入国在留管理庁の資料によると、偽装結婚や偽装認知といった不正手段による在留資格の取得は、年間数百件単位で摘発されています。 しかし、摘発されるのはごく一部で、私たちの知らないところで同様の犯罪が相当数行われていると推測されています。日本で働くためのビザが取れない、あるいは期限が迫っている外国人が、不正な手段に頼らざるを得ない状況が、闇のブローカーをつけ上がらせているのです。
ブローカーの巧妙な手口と「闇ビジネス」の実態
今回の事件では、日本人男性が主導し、別の日本人女性が書類作成を手伝っていました。これは典型的なブローカーによる偽装結婚の構図です。ブローカーは、日本で働きたい外国人と、報酬目当ての日本人をマッチングさせ、婚姻届の作成から入管への申請までを代行します。外国人は多額の報酬を支払い、日本人は手軽に金銭を得るという、お互いの利害が一致した「闇ビジネス」が成り立っているのです。
過去の事例では、ブローカーが日本人側を脅迫して関係を続けさせたり、多重偽装結婚(一人の日本人が複数の外国人と偽装結婚を繰り返すこと)に関与していたケースも報告されています。このようなブローカーの存在が、外国人犯罪の温床となり、日本の社会秩序を乱す大きな要因となっています。