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四半世紀の不法残留が路上で発覚!「短期滞在ビザ切れ」から24年、入管制度の“ざる”を問う

 約24年4カ月にわたって、日本に不法残留していた疑いで中国人の男が逮捕されました。警察によりますと、11日に現行犯逮捕されたのは中国籍で住居不定の無職の男(63)で、約24年4カ月の間、不法に残留していた疑いがもたれています。
 11日午後1時半ごろ、三重県鈴鹿市の路上で「自転車に乗った男が倒れている」と通行人から警察に通報がありました。倒れていた男に目立ったけがはなく、受け答えに応じることができたので駆け付けた警察官が話を聞き、所持していたパスポートを確認すると、短期滞在での在留期限が2001年5月24日で迎えていたため、その場で逮捕しました。
 男は容疑を認め、警察の調べに対し「友人を頼って2、3日前に鈴鹿に来た」と話しているということです。警察は男がどのように収入を得ていたかなど調べます。
https://news.livedoor.com/article/detail/29763076/

「24年超」の不法残留:発覚の仕組みと事件の特異性

 「短期滞在」ビザの期限が2001年5月に切れてから、約24年4カ月――。これほど長期間、日本の「地下」に潜んでいた不法残留者が、まさか三重県鈴鹿市の路上で倒れていたという偶発的な通報から発覚するとは、誰も想像しなかったでしょう。中国籍の男(63)は、通行人に発見され、駆けつけた警察官による職務質問(警察官が通行人などに質問すること)でパスポートを確認され、その場で現行犯逮捕されました。

 この事件の特異性は、その「四半世紀」という不法残留の長期性にあります。短期滞在(観光や親族訪問などで最長90日)の在留期限をわずかでも過ぎれば、それは「オーバーステイ」(不法残留)として日本の出入国管理法(入管法)に違反します。しかし、これほど長い間、行政の網を潜り抜けられたということは、国内に「隠れて不法滞在している外国人はごまんといるだろう」という疑念を深める事態です。

 逮捕された男は警察の調べに対し、「友人を頼って2、3日前に鈴鹿に来た」と話していますが、最も重要な点は、「約24年間、どのように収入を得て生活していたのか」という点です。

 不法残留者は、原則として日本国内で働くことができません(不法就労)。しかし、長期にわたる滞在は、偽装結婚人身売買、あるいは雇用主側が違法と知りながら安価な労働力として雇う「ヤミ雇用」といった、地下経済に依存している可能性が高いです。これは、真面目に働く正規の外国人労働者や日本人労働者の賃金水準を押し下げ、労働市場を歪める深刻な問題です。

 警察は今後、男の行動履歴を徹底的に洗い出し、彼を匿い、あるいは不法就労させた「幇助者」(犯罪行為を助けた者)や、組織的なネットワークがなかったかを捜査する方針です。

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