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【10億円被害】ベトナム人窃盗団摘発に見る国際犯罪

 埼玉県警は10日、1都11県で自動車を盗んだなどとしてベトナム人グループを摘発し、2024年1~8月に495台、他の金品を含めて計約10億2000万円の被害を確認したと発表した。 【グラフ】ひと目で分かる…自動車盗難、狙われやすいのはランクル・プリウス・アルファード
 発表によると、グループは住所不定、無職の被告(25)(窃盗罪などで起訴)を中心とした8人で、中古車販売店や空港周辺の駐車場で車を盗んでいたとされる。被害は関東、甲信、東北などに及び、都県別の盗難台数は埼玉169台、群馬79台、茨城46台の順で多かった。
 県警幹部によると、被告は同国籍とみられる指示役から、現場の住所や地図などをSNSで受け取っていた。営業後の中古車販売店の窓ガラスを壊して車の合鍵を盗み、車を持ち出す手口が多かったという。
 盗んだ車は近くの駐車場などに置き、指示役がSNSを通じて販売していたほか、ヤードに持ち込んだりして、被告に報酬を支払っていたという。
 県警は、被告が何者かと共謀して24年1~8月、埼玉県三郷市内など179か所で、自動車434台など8億7000万円相当を盗んだとして、さいたま地検に追送検した。 
https://news.yahoo.co.jp/articles/7fa07fc6372308a552c760a48cc744b112791283

摘発されたベトナム人窃盗団の「手口」と「組織構造」

 埼玉県警が摘発したこの大規模な窃盗事件は、日本の**「安全神話」を根底から揺るがすものです。中心となったのは、住所不定・無職の被告(25)を含むベトナム人グループ8人。彼らの手口は極めて組織的かつ巧妙でした。リーダー格の被告は、同国籍とみられる指示役から、盗む車の場所や地図などをSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて受け取っていました。ターゲットは主に営業後の中古車販売店や空港周辺の駐車場**。犯行では、まず店の窓ガラスを破壊し、車内の合鍵(あらかじめ車両に備え付けられていたスペアキー)を盗み出し、短時間で車両を持ち去るという手口が多用されていました。これは、窃盗団が緻密な計画に基づき、ターゲット車両の選定から実行、搬出までを効率的に行っていたことを示しています。

広域窃盗の流通ルート:盗難車の行方と「ヤード」の存在

 盗まれた自動車495台は、総額約10億2000万円相当に上り、その流通過程は国際的な犯罪ネットワークを示唆しています。窃盗団は盗んだ車をまず近くの駐車場などに一時的に置き、その後、指示役がSNSを通じて国内外に販売するか、あるいは**「ヤード」と呼ばれる非合法な解体・保管場所に持ち込んでいました。ヤードとは、盗難車を解体し、部品として海外に密輸したり、車体番号を付け替えて不正に再販したりする犯罪組織の拠点のことを指します。特に海外で人気の高い日本の高級車や商業車は、高値で取引されるため狙われやすい傾向にあります。この事件は、盗難が個人の犯罪ではなく、国際的な密売ルート**に組み込まれている現実を私たちに突きつけています。

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